「色をそろえる」だけでは、片づいて見えませんでした
見せる収納をきれいに見せるコツを検索すると、上位に並ぶのは家具メーカーやリフォーム会社、通販サイトの記事でした。「色や素材をそろえる」「白いアイテムは1段目と5段目に置く」といったアドバイスは共通していましたが、比率や高さの数字を示しているページはほとんどありませんでした。
DAIKEN・キナリノ・margheritaなど上位のページを見比べると、色のルールの中身がサイトごとに違い、共通しているのは「そろえると良い」という抽象的な言い回しだけでした。数字で言い切っているページはゼロです。
わたしは最初、この記事も原則3(目立たせたくない家具はシルバーか白)の延長で、色を消せば解決すると考えていました。でも判型の高さを並べてみて、考えを変えることになりました。
本の高さだけで、14.9cmの差があります

見せる収納でいちばんよく登場するのは、本だと思います。出版科学研究所が公開している判型の寸法を並べると、文庫判(14.8cm)から雑誌によく使うA4判(29.7cm)まで、高さだけで14.9cmの差がありました。新書判17.3cm、四六判(単行本)18.8cm、A5判21.0cmと、間の判型もそろっていません。
同じ棚に文庫本と雑誌を並べれば、色をどれだけそろえても、上端の線は必ずでこぼこになります。色は「面」の情報で、高さは「輪郭」の情報です。輪郭がそろっていない状態では、面の色をそろえる効果はどうしても薄くなります。
無印のファイルボックスは、幅を変えても高さを変えていません

高さをそろえるという発想は、すでに製品の設計に使われていました。無印良品のポリプロピレンファイルボックス・スタンダードタイプは、標準タイプ(幅10cm)とワイドタイプ(幅15cm)で幅こそ5cm違いますが、高さはどちらも24cm、奥行きも32cmで共通です(商品ページ)。
中身の量に合わせて幅を選んでも、外から見える高さは24cmで変わりません。違う中身を、そろえた外形に収めるという考え方です。自分の収納に当てはめると、色よりも先に高さのそろった容器を選ぶほうが効果があることになります。
並べ方を変えるだけでも、段差は減らせます

高さがばらばらな8点(先ほどの8判型)を、並べ方だけで比べてみました。上端の線が上下する回数を「反転」として数えると、そのまま並べると5回、高さ順に並べ替えると0回になりました。左右対称の山型に並べても1回まで減ります。わたしはこの反転の回数を数えるまで、並べ方だけでここまで差が出るとは思っていませんでした。
| 並べ方 | 反転の回数 |
|---|---|
| そのまま並べる | 5回 |
| 高さ順に並べる | 0回 |
| 山型 (低→高→低) に並べる | 1回 |
| ケースで高さをそろえる | 0回 |
高さ順や山型は、本の並び(著者順・シリーズ順)を崩してしまうという弱点があります。それなら、中身の高さは自由にして、外側のケースの高さだけをそろえるほうが実用的です。無印のファイルボックスが幅違いで高さを統一しているのは、まさにこの解決策でした。
棚1段の中でも、この段差は起きます
無印のスタッキングシェルフ(3段×2列・オーク材)は総高121cm、3段に等分すると1段あたり40.3cmです(商品ページ)。先ほどの判型は、文庫判もA4判も、この1段の中に収まります。
段差が起きるのは、棚からはみ出すからではありません。同じ1段の中で、天面の高さが違う物どうしが並ぶからです。これは記事2で書いた「囲む家具の高さをそろえると視線が抜ける」という話を、部屋1つ分から棚1段分に縮めたのと同じ理屈です。
色を消す原則3は、無意味ではありません
ここまでの内容は、色をそろえる効果を否定するものではありません。原則3(目立たせたくない家具はシルバーか白)は、器(棚や箱の外側)を無彩色にして、色を持たせるのは中身だけにするという役割分担の話でした。
高さと色は、別の役割を持った2つの変数です。高さは輪郭を決め、色は輪郭の中の面積を決めます。輪郭がそろっていない状態で色だけそろえても、でこぼこの輪郭線は消えません。輪郭さえそろえておけば、色は自由に使っても崩れにくくなります。色より先に高さを疑うべきだった、というのが今回わたしが気づいた点です。
まとめ
見せる収納がごちゃつく理由を、業者ブログの多くは「色をそろえる」と説明していますが、具体的な数字を示したページはありませんでした。本の判型は文庫判14.8cmからA4判29.7cmまで14.9cmの差があり、これが上端の輪郭をでこぼこにする主な原因です。
無印のファイルボックスは、幅を10cmと15cmで変えても高さを24cmでそろえており、外側の高さを先に決め、中身は自由にするという解決策を、すでに製品として示していました。棚や収納ケースを選ぶときは、色より先に高さをそろえることを考えると、部屋はすっきり見えやすくなります。
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