「壁から1cm」で、だいたい足りると思っていました
冷蔵庫の隙間をどれくらい空けるか調べると、答えはすぐに出てきます。多くのページが「パナソニックは壁から1cm程度」「シャープは2cm以上」というように、メーカーごとに1つの数字を並べていました。
わたしも最初は、この数字さえ守れば十分だと思っていました。でもメーカー各社の公式ページを1つずつ確認すると、指定は方向ごとに分かれていて、1つの数字には収まらないことがわかりました。
「左右」「上」「背面」は、別々の数字でした

パナソニックのコンパクト冷蔵庫(NR-B142・NR-B172)の取扱説明書には、こう書かれています。
放熱スペースを確保できるところに(左右2cm、上10cm、後5cm)
左右2cm・上10cm・背面5cmと、方向ごとに違う数字が並んでいます。日立・三菱電機・シャープのサポートページも同じ形で、方向を分けて数字を出していました。三菱電機はこれに加えて、設置スペースにさらに1cm程度の余裕を持たせることを推奨しています。
| メーカー・機種 | 左右 | 上 | 背面 |
|---|---|---|---|
| パナソニック NR-B142/172 | 2cm | 10cm | 5cm |
| 日立 (共通FAQ) | 0.5cm以上 | 5cm以上 | 機種による |
| 三菱電機 (共通FAQ) | 0.5cm以上 | 5cm以上 | 機種による |
| シャープ フレンチドア型 | 0.5cm以上 | 5cm以上 | すきま不要 |
| シャープ どっちもドア型 | 0.5cm以上 | 5cm以上 | すきま不要 |
出典はパナソニック取扱説明書・日立・三菱電機・シャープの4社で、いずれも自社サイトの公式ページです。「壁から1cm」という1つの数字は、この表の3つの数字をならして1つに丸めた結果だったことになります。丸めた時点で、方向ごとの違いは消えてしまいます。
上だけは、どのメーカーも横の5〜10倍でした
表を並べてみると、メーカーごとの違いより先に、共通点のほうが目につきました。上の隙間は、どのメーカーでも横の隙間より大きく、その差は5倍から10倍です。パナソニックは横2cm・上10cmで5倍、日立・三菱電機・シャープは横0.5cm・上5cmで10倍でした。
わたしは、上の隙間がここまで横と違うとは思っていませんでした。冷却の仕組みを説明したページは見つかりませんでしたが、上に熱がこもりやすいという前提だけは、4社ともそろっていました。「上」だけは、メーカーを選ばないということです。
背面は、「すきま不要」と「5cm」に分かれていました

横と上はどのメーカーも近い数字でしたが、背面だけは分かれました。シャープのフレンチドア型・どっちもドア型は「背面すきま不要」とはっきり書いています。一方でパナソニックのコンパクト機は「背面5cm」です。わたしは最初、いちばん数字が大きいのは背面だと思い込んでいましたが、実際は逆でした。
ある電力会社系サイトは「最近の冷蔵庫は放熱板が側面や上部に移動したので、背面は詰めてよい」と説明していましたが、メーカー各社の公式ページ自体には、その理由を書いたものは見当たりませんでした。背面の数字が分かれる理由は、確認できなかったとしておきます。
「壁から1cm」を上に当てはめると、必要な広さの1割しかありません

ブログの中には、方向を分けずに「パナソニックは壁から1cm程度」とだけ書いているものもありました。この数字を、そのまま上の隙間として使うと何が起きるでしょうか。パナソニックのコンパクト機が実際に必要としているのは10cmです。1cmでは、必要な広さの10%しか確保できません。
わたしはこの計算をするまで、1cmでここまで足りなくなるとは想像していませんでした。横の数字を上に流用すると、残り9割が足りないまま設置してしまう計算になります。
実際にどれだけの広さが要るか、計算しました
パナソニックNR-B142Jは、幅48.0cm・奥行き58.4cmの本体です。取扱説明書どおりに左右2cm・背面5cmを足すと、設置に必要な広さは幅52.0cm×奥行き63.4cm=3,296.8cm²になります。江戸間の畳1枚(88×176cm=15,488cm²)に対する割合は21.3%でした。
本体だけなら18.1%なので、隙間が広さに上乗せする分は3.2ポイント、畳1枚の約31分の1です。わたしはこの割合を計算するまで、隙間の面積をもっと大きく見積もっていました。記事13では家具と壁のあいだに5cmと書きましたが、あちらはカビ、こちらは放熱で、理由はまったく別です。数字が似ていても、守るべき方向まで同じとは限りません。
まとめ
冷蔵庫の隙間は、メーカーごとに1つの数字があるわけではなく、左右・上・背面でそれぞれ違う数字が指定されていました。横は0.5〜2cmとどのメーカーも近い一方、上は横の5〜10倍の5〜10cmが必要で、背面だけは「すきま不要」から「5cm」まで分かれています。
「壁から1cm」のような1つの数字だけを覚えていると、いちばん広く取るべき上の隙間で不足しかねません。自分の冷蔵庫の型番で取扱説明書を確認するのが、結局いちばん早い方法でした。型番は本体の側面か背面のシールに書いてあります。
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